
フレンチワークの象徴!Adolphe Lafontのchiteki(知的)
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目次
- はじめに:なぜフレンチワークが今注目されるのか?
- モールスキン生地の歴史と魅力
- Adolphe Lafont(アドルフ ラフォン)のブランドヒストリー
- ブラックモールスキンジャケットの注目ポイント
- ディテールを徹底分析:ここを見れば違いがわかる!
- 実用面・ファッション面でのメリット
- コーディネート例:ワークからキレイめまで
- メンテナンスと長持ちのコツ:デリケート洗い・保管法
- ヴィンテージ市場での価値と見極めポイント
- まとめ:フレンチワークの深みを楽しむなら、この一着!
1. はじめに:なぜフレンチワークが今注目されるのか?
近年、ヨーロッパのヴィンテージアイテムがますます注目を集めています。そのなかでも特に「フレンチワーク(French Work)」は、歴史的背景やファッション性、そして機能性の高さから世界中のファンを魅了しています。
ワークウェア=機能性+スタイリッシュ
ワークウェアは本来、作業しやすさや耐久性を重視して作られた服です。しかしフレンチワークは、実用性と上品さを併せ持つ独特の魅力があり、普段着やファッションアイテムとしても取り入れやすいのが特徴です。
サステナブルファッションの潮流
使い捨てではなく、長く着用できる丈夫なアイテムを選ぶことが、近年のサステナブル思考にもマッチ。フレンチワークのような古着は、高い耐久性と経年変化の美しさから、まさに“長く着られる一着”として人気が高まっています。
本記事では、フレンチワークを象徴するブランド「Adolphe Lafont(アドルフ ラフォン)」のブラックモールスキンジャケットについて、歴史的背景から着こなしまで徹底解説していきます。
2. モールスキン生地の歴史と魅力
2-1. モールスキン(Moleskin)とは?
モールスキンとは、綿(コットン)を非常に高密度に織り上げ、表面を起毛させた生地のことです。名前の由来は“モグラの毛皮(mole skin)”のような手触りを持つことからきています。滑らかで柔らかい肌触りと同時に、しっかりとした厚みがあり、丈夫さも兼ね備えているのが特徴です。
出典:https://sabimariblog.com/mogura
2-2. 産業革命期とモールスキン
19世紀の産業革命期、ヨーロッパでは工場や鉱山などの重労働が急増し、作業着の需要が高まっていました。モールスキンはその耐久性と保温性の高さから、ワークパンツやワークジャケットの素材としてフランスやイギリスで愛用されるようになります。
2-3. モールスキンのメリット
- 耐久性: 高密度織りのため、洗濯や摩耗に強く、ワークシーンでもなかなか破れにくい。
- 保温性: 起毛した表面が空気を含むため、寒い時期にも暖かい。
- 防汚性: 汚れや油分がついても、生地が分厚いため表面で留まり、メンテナンスしやすい。
- 経年変化: 使い込むほどに色落ちやアタリが出て、味わい深い表情になっていく。写真のように、袖口のステッチまわり(糸で縫った周り)にアタリが出てわずかに白くなっている。
color=red
3. Adolphe Lafont(アドルフ ラフォン)のブランドヒストリー
3-1. 1896年創業、フレンチワークのパイオニア
Adolphe Lafontは、1896年頃にフランスで創業した老舗ワークウェアブランドです。
アドルフ・ラフォンは大きな野心を抱いて、家族経営の店を引き継ぎました。工房で作られた服が成功したことに気づき、おそらくは競争相手を思いとどまらせたいと思った彼は、1896 年に「アドルフ・ラフォン」という名前を登録し、簡単に認識できるラベルを作ることにしました。
こうして彼はフランスで登録された最初の作業服ブランドを設立しました。
創業当初は労働者のための耐久性が高い服を作ることに注力しており、その品質の高さから多くの職人たちに支持されました。
出典:https://www.a-lafont.com/en/pages/notre-histoire
3-2. フランス国内での普及
20世紀初頭にはフランス各地の工場・農場・職人の間で広く普及し、フレンチワークの代表的ブランドへと成長します。丈夫さだけでなく、シンプルで時代を超えて使いやすいデザインが、多くのユーザーを惹きつけました。
3-3. 現在の評価とヴィンテージ市場
現在のヴィンテージ市場でも「Adolphe Lafont=フレンチワークの象徴」という図式が成り立つほどの知名度を誇ります。特に1950〜80年代あたりのタグが残ったアイテムや、当時のオリジナルボタン・ステッチが確認できるものは、コレクターズアイテムとしても高値で取引されることがあります。
4. ブラックモールスキンジャケットの注目ポイント
4-1. フレンチワークでは珍しいブラックカラー
フレンチワークといえば、一般的には“インクブルー”や“ブルーグレー”が定番。そのためブラックカラーのワークジャケットは比較的生産数が少なく、ヴィンテージ市場でも希少とされています。
実際、鍛冶や鉄道など汚れが目立ちやすい現場向けに採用された説や、地域的・文化的な影響を受けた説など、さまざまな見解があります。ただし、当時の公的資料やブランドアーカイブが非常に限られているため、明確な根拠に乏しい点もあるのが実情です。
いずれにしても、ブルーのイメージが強いフレンチワークの中にあってブラックは少数生産だったと考えられ、ヴィンテージファンからは「レアカラー」として特別視されています。
4-2. シックで合わせやすい
ブルー系のワークジャケットはカジュアルなイメージが強い一方、ブラックならコーデ全体を引き締め、より洗練された印象を演出できます。モールスキン特有のマットな風合いも相まって、重厚感のある上品なワークスタイルを楽しむことが可能です。着回しの幅が広く、モダンなスタイリングにも取り入れやすいのが魅力といえます。
5. ディテールを徹底分析:ここを見れば違いがわかる!
5-1. フロントボタンとボタンホール
ボタンの変遷
1920s 1930s 1940s 1950s 1960s 1970s 1980s~
年代軸 |----------|----------|----------|----------|----------|----------|
1) 天然素材ボタン:ウッド、ボーン、シェル、ガラス、コロゾ(象牙ヤシの実)
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(1800年代~1930年頃、ウッドは1950年頃まで)
2)金属製ボタン: メタル、アルミ、動物(メタル)
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(ユーロビンテージでは1930年頃が多い、第二次大戦以降、軍物・ユニフォーム系で普及、50~60年代特に多い)
3) 塗装ボタン:ラッカー(天然素材ボタンに塗装)
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(1930年代後半~40年代)
4) 合成樹脂ボタン:尿素、キャッツアイ(猫目)樹脂、
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(近代技術普及し始めた1930年代後半~60年代頃)
5) 合成樹脂ボタン:プラスチック/ポリエステル等
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(1950s~60s頃に台頭、70~80年代にかけて現代に至るまで主流)
木製ボタン
プラスチックボタン
ボタンホールの形状
-
- 古い時代のものは手縫い感が残る、いわゆる“カンヌキ”が目立つケースがあるといわれます。カンヌキは強度も持たせたい部分に設置されるため、比較的新しいふくにも普通にあります。カンヌキがあるから古いというわけではないです。
- ただし、生産環境や修理・リペア痕などによっても左右されるため、総合的な判断が必要です。
機械式のカンヌキ。
手縫いのカンヌキは以下のように非常に美しいです。
出典:https://navy-circle.com/handsewn-bar-tacking-on-dresswear/#toc1
5-2. 胸元のパッチポケットの大きさと配置
パッチポケットのサイズ感
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- 工具や小物を入れやすいよう、大きめに作られているのがフレンチワーク全般の特徴です。
- 一方で、古い個体には、胸元にV字型の形をした小さなポケットが付いています。用途については「タバコポケット説」など諸説あるそうです。
ステッチの縫い方
-
- シングルステッチは古く1940年代以前と古く、ダブルステッチやチェーンステッチなどが使用されているとだいたい1960年代頃まであることがわかります。ロックミシンが使用されていると工業化の波を受けていると判断できますので1960~70年代と推察されます。一般的にダブルステッチやチェーンステッチになると強度が増しますので、時代を経て、作業着ということで強度を増していくことになりました。
- 下請け工場の設備状況や時代背景により変化するため、ステッチ仕様と併せてボタンやタグなどほかの要素も併せて考察すると、より正確な推定が可能になります。
シングルステッチ(首回りの襟の部分はシングル、肩の部分はダブル)
脇を裏返して撮影。クロス部に注目。横方向は通常のステッチ、縦方向はチェーンステッチになっています
脇を裏返して撮影。クロス部に注目。こちらは縦と横のどちらもチェーンステッチが使われています
5-3. タグの仕様
タグ
-
- 刺繍文字で筆記体が入った古いタグから、刺繍ではあるものの少し粗くなった1950〜60年以降のもの、刺繍ではなくプリント印刷されたものなど、複数のバリエーションが確認されています。
- ブランド毎のタグの種類、刺繍orプリント、印刷の粗さ、🄬マークなどで大まかな年代を推測するのが、ヴィンテージ市場では一般的です。
1940年代 刺繍タグ
出典:https://ugla.stores.jp/items/653a098cd648d101eac8bbb5
刺繍タグにも色々と種類があります。SANFORの防縮加工の印字があるため50~60年代。
出典:https://www.straysheep-online.com/items/90763552
こちらもまだ刺繍タグであるものの、1960~80年代と推定されます。 商標登録の🄬マーク付きのため1950~60年代以降であると推察されます。
5-4. 裏側にある胸ポケットの補強形状
三角形orかんぬき
-
- 1940年代以前の古い個体のものは三角形の補強がされており、1950年代以降はかんぬき形状であることが多いです。
三角形
かんぬき
5-5. 生地
1920~1930年インディゴリネン、コットンリネン
1930年:ライトウェイトモールスキン
1940~1950年代:ヘビーウェイトモールスキン(時代と共に厚く丈夫になっていく)
1950年以降:コットンツイル
1960~1970年以降:コットンツイル(ポリエステル混じりでツヤがある)
5-6. 襟
1930年代前半以前:シングルステッチ
1940年代~:ダブルステッチ
※年代に関しては推定なので前後する可能性があります。あくまで参考程度としてお考え下さい。間違いのご指摘があれば記事を訂正いたしますので教えてください!
6. 実用面・ファッション面でのメリット
6-1. 丈夫で長持ち
モールスキン素材としっかりした縫製によって、古着であってもガンガン着まわせるタフさがあります。日常的に着用しても、破れにくく傷みにくいのが大きな強みです。
6-2. 季節を問わない汎用性
モールスキンの厚みは冬場の防寒着としても優秀ですが、春秋のアウターにも最適。真夏以外はほぼ通年で使えるため、“一着で何役もこなす”万能ジャケットです。
6-3. コーディネートしやすい
ブラックカラーはどんなパンツやトップスとも相性が良く、ワードローブに取り入れやすい点も魅力です。ワークスタイルだけでなく、キレイめやフェミニンなアイテムとのミックスコーデも楽しめます。
7. コーディネート例:ワークからキレイめまで
-
王道ワークスタイル
- デニムパンツ+レザーブーツ+無地Tシャツ
- シンプルな色味で統一し、ジャケットが主役になるスタイル。
-
キレイめシティライク
- スラックス+白シャツ or タートルネック+革靴
- ジャケットのワーク感を中和し、都会的な印象に仕上げる。
-
ユニセックス・オーバーサイズ
- 女性の場合、あえてサイズ感の大きいジャケットを羽織り、ボトムスはスキニーやテーパードパンツでメリハリを。
- スニーカーやローファーを合わせるとラフな中にも品のあるコーデに。
出典許可頂きましたh.yonezou 様、大変ありがとうございます。
出典:https://www.instagram.com/p/CHEgbJ4jGLy/
8. メンテナンスと長持ちのコツ:デリケート洗い・保管法
8-1. 洗濯方法
はっきり言ってネットに入れていただければ、普通に洗ってもらって大丈夫ですが(当然ながら乾燥機はNGです。縮めたい場合は別)、欲を言えば以下がベターな対応になります。
- 基本は手洗いかデリケートモード: モールスキンは丈夫とはいえ、洗濯機の激しい回転で色落ちや生地痛みが進む場合があります。
- 中性洗剤の使用: 色落ちを最小限にし、生地を傷めにくいです。
- 乾燥機は避ける: 高温により縮みや起毛のダメージが出る可能性があるため、陰干しがベストです。
8-2. シワの取り方
- アイロンを使用する場合: 低温~中温で当て布をする。
- スチームアイロン: シワを伸ばしつつ、生地の起毛にダメージを与えにくい。
8-3. 保管方法
- 風通しの良い場所で陰干し: 湿気がこもらないように注意。
- 衣類カバーを使う: 長期間保管する際はホコリや汚れを防ぐためにカバーをつけると良い。
9. ヴィンテージ市場での価値と見極めポイント
9-1. 年代・タグの違い
- 古いタグほど評価が高い: 1950〜1970年代頃のタグやロゴデザインは、コレクターズアイテムの証となることが多い。
- ステッチやボタンのパーツ: オリジナルパーツが残っている場合は希少性が上がる。
9-2. コンディションの重要性
- 色落ちやアタリの“味”: ヴィンテージ特有の風合いとして好まれる一方、穴あき・大きなダメージは大幅な価値減につながる。
- リペア痕: 丁寧なリペアが行われている場合は、それ自体が“物語”として評価されるケースもある。
9-3. サイズバリエーション
- 現代的なサイズ感があるか: ヴィンテージ品の多くはサイズが小さめの場合があるため、Lサイズ以上の希少性は高い傾向。
- 実寸をチェック: 実寸が購入の決め手になるので、各部位の採寸は入念に。
10. まとめ:フレンチワークの深みを楽しむなら、この一着!
Adolphe Lafont(アドルフ ラフォン)のブラックモールスキンジャケットは、
- 機能性(耐久性・保温性)
- デザイン(シンプルかつ希少なブラックカラー)
-
歴史的背景(フレンチワークを代表する老舗ブランド)
といった要素が詰まった“傑作”ともいえるアイテムです。
ワークウェアとしての無骨さと、フランスらしい上品さが絶妙に融合し、現代のコーディネートに取り入れてもまったく古臭さを感じさせません。むしろ、ヴィンテージならではの味わいやストーリー性が魅力となり、ファッションの楽しみをより深めてくれます。
さらに知りたい方へ:関連リンクのご紹介
【商品ページはこちら】
実際の商品画像やサイズ詳細、価格などを掲載しています。弊ショップには一つしかなく、刺繍タグなどのスーパービンテージではございませんが、入門編として皆様が興味を持たれるきっかけとなれば幸いです。
→https://withgrow-shop.com/products/french-vintage-black-moleskin-work-jacket
【他のフレンチワークアイテム】
Adolphe Lafontだけでなく、他のフランス・EUヴィンテージブランドも取り揃えています。
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最後に
今回ご紹介したブラックモールスキンジャケットは、フレンチワークの奥深さを体感するには最適なアイテムです。歴史を知り、素材を知り、そして実際に袖を通してみることで、愛着がぐんと増すはず。ぜひあなたのワードローブに取り入れて、日々のコーディネートをより一層楽しんでみてください。
WITH GROW vintage&used clothing
公式サイト: https://withgrow-shop.com/
Instagram: https://www.instagram.com/withgrow_vintage/
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